善光寺街道を歩く2012・旅は巡礼

2013年02月23日

 旅はロマンを掻き立てます。知らない土地を訪れ、未知の体験をする、それが旅の醍醐味でしょう。では、昔の人は旅をどう楽しんでいたでしょうか。江戸時代に書かれた紀行文や、名所図会なる旅のガイドブックを見ますと、旅の訪問先のほとんどが寺社仏閣です。それに風光明媚な景勝地、旅の疲れを癒す温泉、古戦場や石碑などの史跡が並びます。


その人の足跡ふめば風薫る     子規


紀行文を記すような文人は好んでこのような先人の足跡を踏襲し、古典的名所を訪ねています。


kiji2photo3.jpg

写真1 芭蕉翁面影塚(千曲市姨捨山長楽寺)



kiji2photo2.jpg

写真2 両大神宮四十八度 善光寺四十八度

    御山々西国四国信州不残・寛保2



 善光寺はお伊勢さんと並ぶ日本人の心のふるさとだと、作家の田辺聖子は著書『姨ざかり花の旅笠』の中で書いています。善光寺街道は善光寺への参詣路ですが、同時に善光寺と伊勢神宮を結ぶ最短距離のルートとして、庶民の旅行史の最大公約数が浸み込んでいます。そのガイド本『善光寺道名所図会』には道中の寺社が絵図入りで細かく解説されています。中には個人の庭が名園として紹介され、浅

間の湯の宿屋の様子や、松本の初市(現在の飴市)の賑わいなども克明に伝えています。


kiji2photo1.jpg

写真3「下浅間の温泉ハ上浅間より引之」絵図

(『善光寺道名所図会』嘉永2 豊田利忠著)


投稿者:善光寺街道歩き旅推進局

アーカイブ

お問い合わせ

善光寺街道歩き旅推進局

〒399-7701
長野県東筑摩郡麻績村日2154番地
  • TEL:090-2160-6840
  • FAX:0263-67-2922