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福満寺例大祭
2013年04月26日
善光寺街道の枝道を歩く、ガイドマップ「麻績村通行手形」より、『麻績宿から福満寺』のコースの福満寺について紹介します。
福満寺は創建を平安時代までさかのぼる天台宗の古い寺です。
檀家はありません。従って住職とともに、地元の上井堀地区全体で管理しています。
長野市の戸隠神社と草創期が同じ頃で、どちらも修験道の道場でした。戸隠は現在神社となっていますが、明治以前は天台勧修院両界山顕光寺が取り仕切る神仏混淆の寺院群でした。
戸隠同様、福満寺も寺と山とが一体になっていました。その山が聖山(ひじりやま)です。断崖絶壁の切り立った岸壁に今でも掘割の道が通じています。これを「手すり岩」と呼びます。
かつて福満寺は、この岩場の下にありましたが、いまから320年ほど前の元禄期に現在地に移設されました。元の寺のあった場所を「手所」(てらどこ)と呼んでいます。この場所は今まで一度も調査の手が入っていませんので、平安時代以降の貴重な史跡が埋もれていると思います。
移設時に移された仏像のうち、五躰が国の重要文化財に指定されています。
そのうちの一つ、薬師如来坐像は光背から台座まで364.5cmあり、木造としては東日本最大です。
平安末時代藤原期(12世紀)の寄木造りで、保存状態が大変良く、往時の様子をそのまま今に伝えています。信州には五躰の木造薬師如来像が重文に指定されていますが、平安前期から鎌倉時代に作仏様式が移行するちょうど中間に福満寺の薬師如来があります。
さて、挙げればきりのない福満寺のお宝ですが、普段貴重な仏像群は収蔵庫に施錠して厳重に保管しています。春の例大祭となる5月3日は、この仏像群が一般開帳されます。
投稿者:善光寺街道歩き旅推進局